澤田痴陶人に光をあてた当時の大英博物館副館長、ローレンス・スミス氏は新聞などのメディアに賞賛のコメントを残しています。その中から日本経済新聞文化欄に掲載された記事の抜粋をご紹介します。

この無名に近い陶芸家の個展がロンドンの大英博物館ジャパン・ギャラリーで開かれる。同館の日本美術部長である私は痴陶人の作品に初めて接して以来、この鬼才を広く世に紹介したいと思い続けてきた。早速伊万里陶苑へ行ってみた。絵付けのモチーフは伝統的な古伊万里だが筆のタッチは他の現代陶芸に類を見ない。自由奔放な線は、見る人に愉快で豪快な「生」そのものを感じさせる。どうしてもコレクションに加えたく譲ってくれるよう頼み、所蔵の痴陶人作品百点以上を披露してもらった。白磁に青だけで描いた京都の文人風、赤、黄、青、緑、金の鮮やかな伝統の色付け・・・・。作品に魅せられた私の熱意が通 じたのか一枚の大皿「染付綾形文盛皿」を譲っていただいた。他に痴陶人の亡くなった息子さん、痴陶人と作陶に励んだ岡本栄司さんの作品など計5点を手に入れた。痴陶人は京都の日本画家だったが59年佐賀県に移り住み作陶に専念。68年伊万里陶苑を興し専属デザイナーになる。77年嬉野町で74歳の生涯を閉じた。酒が好きだったと言う彼が生きていたらうまい地酒を酌み交わし、偉大な日本の伝統の重みに負けないダイナミックな個をもったその精神力が伝統に新たな息吹を与えたことを語りかけたい。



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1997年 痴陶人作品展
大英博物館(イギリス)

1997年 痴陶人作品展
三越デパート新宿本館
(東京)

1998年 痴陶人作品展
県立美術館(佐賀)

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